避難計画で原発やめました。
2016/07/24
ドキュメント’16 日本系 深夜0:55 米国と対比し伊方原発を問う「安倍政権が再稼働を強行しようとしている愛媛県・伊方原発。震災・津波が起こった場合、住民は無事避難できるのか。避難計画に現実性がないと指摘され、建設後、稼働することなく廃炉となったアメリカ東海岸・ショアハム原発とを対比させて問題点を探ります。伊方原発のある佐田岬半島は、ショアハム原発がある細長い島と地形は似ているものの、原発から避難道路まではショアハム16`、一方、伊方はわずか1`と至近距離。伊方は放射能汚染が懸念され、バスや船での避難も確定していません。「津波が来て原発事故があったらもう死ぬるしかない。逃げ道はないからね」と住民の言葉が胸に刺さります。ショアハムの住民も、「ここは島です。どこにも逃げられません」。共通した環境にありながら、両国の対応の違いに驚かされます。活断層である中央構造線は伊方原発からわずか数`。技術者は「活断層とわかっている今、立地はあり得ない」と断言します。番組は「そもそも避難計画がないと動かせない産業っておかしくないですか?」と問いかけます。無責任に再稼働を推し進める政府への怒りが伝わってきます。」(24日付けしんぶん赤旗「試写室」より) 夏になると節電、節電と呼びかけていたのに、ほとんど聞かなくなりました。もう原発が無くても、電気は充分にまかなえる事が証明されています。それにしても、良質の番組が深夜に放送されるのは、自分たちの様な年寄りには、とてもつらいことです。さて、先日に参加した「ビリーバンバン」のコンサートの中で話された内容にどよめきが起きました。今は「兄弟ディオ」で歌っておられますが、アマチュア時代には、もう一人メンバーがいました。それは、「せんだみつお」でしたが、イメージに合わないと外されたそうです。私は、この話を聞く前から知っていましたが、知らない人も多かったようです。(写真は、蒲生町・あかね文化ホールに張り出されたポスターと、玄関付近に置かれた大きな「トトロ」の置物と、ビリーバンバンのサインです)
子ども達は夏休みです。
2016/07/21
「梅雨明けの蒸し暑さのなか、引っ越しに追われる人たちの姿がありました。熊本空港近くの工業団地につくられた応急仮設住宅「テクノ団地」。全500戸を超える最大規模です。真新しい部屋に荷物を運び込んでいた老夫婦は「やっと落ち着ける」とほっとした表情。これまでは避難所や親類の家を転々としてきたといいます。一方で、市街地から離れた場所にあるため、不便さを訴える声も。先に見えない不安を口にする被災者も多い。熊本地震から3カ月が過ぎました。大地が何度も揺さぶられ、追い打ちのような豪雨にも見舞われた被災地。地震で大きな被害を受けた南阿蘇村の立野地区では、記録的な大雨で土砂崩れが次々と起き、至る所で道路が寸断されたままです。震度7に2度も襲われた益城町では犬の散歩や通学する子どもたちの風景が見られました。なんとか以前の生活を取り戻そうとする住民。その傍らでは、つぶされた家々、傾いた建物や波打つ道路といった非日常の光景がいまだ横たわっています。「この町では家を無くした人も、そうでない人も、みんなが被災者。東日本大震災でも同じだと思いますが、途方に暮れてしまう」。壊れた自宅の前でたたずんでいた女性の言葉です。いま列島にひろがる大規模な被災。復興への歩みを険しくさせている背景には、過疎や高齢化をはじめとする地方の荒廃があります。災害に強い国づくりとともに、地方が生きるためにはどうしたらいいのか。被災地の悲鳴が聞こえます。」(21日付けしんぶん赤旗「潮流」より) 東日本大震災から5年を経ても、いまだに仮設住宅で住んでいる方も多数おられます。復興住宅が出来上がっても、入居希望者が集まらず半数が空室であるとか。その原因は、家賃が高くて(月額5万円から)、わずかな年金ではやっていけないとの事です。行政も杓子定規の判断をせずに、場合によっては無償で解放すべきだと思います。さて、大橋巨泉さんが亡くなったと報道されていますが、私が中学生の頃、初めてメガネをかけた時、周りから大橋巨泉に似ていると冷やかされました。今となっては懐かしい思い出ですが、ご冥福をお祈りします。先ほど小学生のグループが、プールに行くであろう着替えらしき荷物を持って歩いていました。夏休みに沢山の思い出を作り、元気に新学期を迎えてほしいものです。(写真は、杣山・花はす祭りでの光景です)
杣山の「はす祭」りは早かった。
2016/07/18
「泰澄の杜」の温泉は、内湯が二つと露天風呂が一つ、サウナ風呂が一つのシンプルな温泉です。入浴料は、大人500円ですので、この界隈では最も安くなっていて、遠路から来られる方より、近郊から来られる方が主体のようです。露天風呂に入っていると、木々の間からセミの鳴き声が聞こえて来ましたが、今年初めての事でした。お風呂上がりには午後1時になっていたので、長女の楽しみであるランチタイムにしました。隣接するレストランに入り、メニューを見せると「カツカレー」を指さしします。この頃、「カレー」に凝っていて、毎回のように注文します。食後のホットコーヒーは100円で飲めるのでお薦めです。午後2時になったので、そろそろ帰路に着かなければなりませんが、そうだ「杣山(そまやま)」のハスが咲いているのではないかと思い立ち寄りました。「花はす祭り」は、6月下旬から行われていて、平日にもかかわらず結構な人出で驚きました。長女を見学に誘うと、花よりか「はす入りソフトクリーム」の売店に一直線で、私は花よりダンゴですと言う対応でした。「花はす」はまだ1種類しか咲いておらず、少し早すぎた感じがしました。「また8月に出直して来よう」という判断をして「杣山」を後にしました。さて、16日(土)は、「ビリー・バンバン」のコンサートがあり、東近江市・蒲生町の「あかね文化ホール」まで行って来ました。2時間の間、ヒット曲や、焼酎の「いいちご」のCM曲などに堪能しましたが、この入場券が3000円とは安い気がしました。やはり生で聴く音楽は臨場感があり、良いものでした。帰りにはCDを買い求めると、本人が握手してくれ感激でした。ところで、先ほどのニュースで、近畿地方も梅雨明けしたと報道していました。子ども達の夏休みも間もなく始まり、いよいよ夏ですね。とは言っても、私には何の予定も無く、淋しい夏になりそうですので誰か飲みに誘って下さい。(写真は、長女が注文したカツカレー850円と、嫁さんが注文したおろしそば500円と、私が注文した唐揚げ定食950円です)
「泰澄の杜」は久しぶりです。
2016/07/15
13日(水)は、3週間ぶりにお休みを頂き、どこに行くか悩んでいましたが、近畿北部の方が天候が良いとの予報で敦賀市を目指しました。安曇川を出る時は土砂降りの雨が、敦賀市内に入ると小やみになり判断に間違いはなかった様です。いつも立ち寄る「鞠山・海釣り公園」は意外と釣り人が少なく、釣果が芳しくないのかなと思いました。様子を伺いに釣り人に尋ねると、「さっきまで大雨で釣りにならなかった」とのお話でした。釣れていたのは、体長5〜7pの小アジでしたが、入れ食い状態で面白そうでした。このサイズなら、唐揚げにしたらビールのおつまみにピッタリです。時々15pほどの子サバも釣れていましたが、こちらは食べようがないので放流されていました。突然、別の釣り人から声をかけられ、「どこから来られたのですか?」と聞かれたので、「滋賀県の北部からです」と答えると、「私は、岐阜県からです」と話されました。「岐阜県なら池田温泉に時々行きますわ」と言うと親しみを感じたようです。ご丁寧に、クーラーのフタを開け、午前5時から釣れた釣果を見せてくれました。「良いのを上げて下さい。ありがとうございます」と言って一期一会の別れとなりました。敦賀市内から「しおかぜライン」を利用し、旧河野村から越前海岸を走りました。あちらこちらの海水浴場で「海開き」が行われているのですが、海水浴を楽しむ姿は見つかりません。「最近は、海で泳がなくなったのかな?」と感じるような淋しい海水浴場でした。本日入る予定だった越前町の「漁り火温泉」に到着したのが、午前10時30分でしたが、午前11時からの営業だったので、30分は待たなくてはいけません。確認のため、施設の玄関まで行きましたが、「午前11時オープン」と書かれた札が下がっていました。「午前11時オープンは遅いよね。せめて午前10時からにしてほしいわ」と言いながら再び車を走らせました。「ここから最も近いのは、同じ越前町にある泰澄の杜にしょう」と峠を越えてましたが、この頃には陽が差して雨の心配はなくなりました。「泰澄の杜」に着いたのは午前11時でしたので、「漁り火温泉」で待っていても変わらない事に気がつき、思わず苦笑いしてしまいました。(写真は、雨上がりの「鞠山・海釣り公園」と、この日釣れていた子アジですが大漁でした)
リニアで南アルプスを壊すな。
2016/07/12
「南アルプスにトンネルを掘るリニア中央新幹線計画に反対する登山者アピール運動が始まります。3000bを超えるピークが13も連なる南アルプスは山が深く、特に南部は山脈を縦断する人工物が少ないのが特徴です。リニアはそこを東西に貫く計画です。大井川の減水は避けられず、大量に排出される残土の処理も定まっていないため、動物の生息環境や景観を著しく損なうことになります。14日に都内で開かれる「『リニアで南アルプスを壊さないで』登山者連合」は、運動のスタート集会となります。「サバイバル登山家」の服部文祥さんと登山ガイドの岩崎元郎さんが対談するほか、現地からの報告もあります。案内ポスターは「片道1時間で東京と大阪が行き来できることと、南アルプスの価値を引き換えにしていいのでしょうか」と問いかけ、「一度壊された自然は元には戻りません。南アルプスの自然を享受してきた私たち登山者から今、破壊に『待った』の声を広げていきましょう」と訴えます。主催は「リニアで南アルプスを壊さないで」登山者アピール実行委員会。呼びかけ人には服部さん、岩橋さん、山岳ガイドで写真家の志水哲也さん、渓流釣り師の瀬畑雄三さん、渓谷探検家の成瀬陽一さん、クライマーの馬目弘仁さんら著名な登山家・釣り師のほか山岳団体代表や山小屋経営者など24人が名を連ねています。呼びかけ人の一人で登山ガイドの山田哲哉さんは「山梨と埼玉を結ぶ雁坂トンネルができて荒川源流の谷は大幅に水量が減り、水晶谷は完全に枯れた。山を削ったり海に埋めたりする考えが時代遅れだ。自然を壊して開発するという発想自体を終わりにした」と語ります。日時 14日(木)午後6時半開場、7時開始 場所 モンベル御徒町店4階サロン(JR御徒町駅南口2分) 参加費 500円(12日付けしんぶん赤旗「スポーツ」欄より)リニア新幹線て、本当に必要なのかどうかは、かなり疑問です。現在ある東海道新幹線でも2時間30分で、東京〜大阪間を走っていて「早いなあ!」と感じます。それより急ぐなら、飛行機を利用すれば良いわけで、リニア新幹線にどれだけ需要があるかです。莫大な建設費を費やして造っても、料金が現在の新幹線を上回れば利用する人はかぎられるでしょう。さて、永六輔さんが亡くなったと聞き、ファンの一人として残念に思っています。「しんぶん赤旗」のインタビューでは、最後に2013年7月に登場。「この放送があったから、世の中が右傾化していく時代にブレーキがかけられたんだというふうになるようにしたい」と、反戦・平和、護憲の思いを表明していました。ご冥福をお祈りします!(写真は、関ヶ原に立ち寄った時の風景です)
佐賀・安永訴訟の上告棄却。
2016/07/09
「佐賀市で2007年に起きた、知的障害のあった安永健太さん=当時(25)=が帰宅途中に警察官に取り押さえられ死亡した事件をめぐる「安永訴訟」で、最高裁第2小法定(千葉勝美裁判長)が遺族の上告を棄却(1日付け)したことを受けて8日、弁護団が声明を発表しました。死亡した安永さんは、パトロール中の警察官に薬物中毒者と決めつけられ、4人以上の警察官にアスファルトに押さえつけられ亡くなりました。遺族の起こした裁判には「障害のある自分の子どもも不審者と誤認された」などの声が寄せられ、多くの支援が集まっていました。しかし、昨年の福岡高裁判決は、取り押さえについて、「注意義務違反には当たらない」として、訴えを退けた佐賀地裁判決(14年)を支持しました。今回の棄却で高裁判決が確定しました。声明では、最高裁が上告理由にあたらないという形式的な理由で上告を退けたことは、「少数者の人権擁護という職責を放棄するものとして厳重に抗議する」と表明。二度とこのような犠牲者を出すことのない社会の構築のため、力を注ぎ、すべての人々に理解を求めることを改めて強く宣言するとしています。」(9日付けしんぶん赤旗「社会・総合面」より) この事件が起きた時、「なんて行き過ぎた事をするのだ!」と思いました。知的障害者の中には、我が家の長女のように、言葉も満足に話せない人もいる事を忘れないでほしいと思います。さて、明日は参議院選挙の投票日ですが、棄権せずに自分の意思を示しましょう。(写真は、お隣の庭に咲いたアサガオの花です)
今、言わなければ。
2016/07/06
同志社大学大学院教授 浜 矩子(はま・のりこ)さん「アホノミクスは富国強兵 アホノミックスの正体は富国強兵路線に対応した経済づくりです。強兵を可能にする経済基盤をつくるのが狙いです。安倍首相は米国に行ったときにアベノミクスと外交安全保障政策は表裏一体だと言っています。 大本営発表 「一億総活躍」は、強い日本を取り戻すために「1億の民よ、奮励努力せよ」ということです。希望出生率は「産めよ増やせよ」です。地方創生、女性の活躍も地方、女性のためではない。すべてが強い国家づくりのための大本営発表です。一つ一つが彼の下心に直結した目標です。近代民主主義国家では国家は国民に奉仕するために存在しています。安倍首相はそれを逆転させて強い国家づくりに国民を奉仕させようとしています。経済政策の使命は経済の均衡回復と弱者救済です。軍国主義的な野望のお先棒担ぎなど許されません。アホノミックスいまや完全崩壊です。足元では消費税増税を再延期せざるをえないほど経済状態が悪化しています。それを認められないからリーマン・ショックや英国の欧州連合(EU)離脱問題まで使っています。「量的・質的金融緩和」を続けた結果、日銀の保有する国債残高は2018年には日本の国内総生産より大きくなることが避けがたい。日銀はアホノミックスの中央銀行支部と化し、日本政府の専任金貸し業者となっています。これでは経済政策がまともに動きません。金融市場では英国のEU離脱問題で大きく円高に振れ、株価も下がりました。アホノミックスが無理をして演出してきた円安株高がいかに実態を反映しないものだったかが示されました。 意気に感じて 安倍政権は本当に危ない、日本の民主主義の危機だ、立憲主義を復権させなければならないという危機意識の共有が野党共闘をもたらしています。与党の「野合」批判など笑止千万です。政権欲しさに主義主張を捨てて集まるのが「野合」です。そういう意味では自民党と公明党こそが「野合」です。本腰を入れた共産党の奔走が1人区での共闘をもたらしました。みんなその意気に感じてがんばってもらいたいと思います。」(6日付けしんぶん赤旗「総合」面より) はま・のりこ 1952年生まれ。三菱総合研究所ロンドン駐在事務所長などを経て、現在、同志社大学大学院ビジネス研究科教授。 浜さんの書かれた記事は、週刊誌にも度々取り上げられ、痛烈な政権批判に溜飲を下げています。さて、前回の「介護殺人」の番組を見た熊本県の友人S君から電話があり、取り上げられた内容が地元で起きた事件だと話してくれました。「介護」という、いつ終わるか分からない苦労に心が切れてしまうのも無理はありませんね。ところで、昨夜、久しぶりに巨人=阪神戦を見ましたが、あまりの貧打に愕然としてしまいました。先発メンバーに新人?ばかりを多用していては、もはや結果が見えて来てしまいます。(写真は、旧高島町・萩の浜から見た景色です)
NHKスペシャル「私は家族を殺した」。
2016/07/03
「電話で対話していると、やはり暮らしの話でつながります。介護や子育て、消費税や年金のこと。いくら切り詰めても生活は苦しいと嘆く声も。それは指標にも表れています。将来への不安もあり個人消費は相変わらずの低調ぶり。家計調査でも3カ月連続の減少で、うるう年を考慮すれば9カ月連続の落ち込みです。消費の冷え込みで物価は下落。企業の生産活動も停滞し、労働条件も悪化する。負の連鎖です。口を開けば、野党共闘の悪口と経済対策の安倍政権。都合のよい数字を並べても国民に実感がないことは本人たちも承知しています。公明新聞には「事実を広く国民が実感できるよう分配し、将来不安や消費意欲の増進につなげていくことが重要」だと。「三年半を超える経済失政が、立憲主義の破綻の陰で進んできた」。そう発言しているのは市民連合の中野晃一上智大教授。「政府にまじめに経済をやらせたい人ほど、立憲四党を応援すべき。改憲に割くムダな時間はない」。年金までばくちにつぎ込み、「安定」どころかどの分野でも混乱をもたらしているアベ政治。(道なかば 下から読めば ばかな道)。いまネットで話題の川柳です。シールズの奥田愛基さんは「民主主義に観客席はない」といいます。声をあげ、立ち上がった人だけが主人公ではないでしょう。まじめに日々を生きながら不安を抱えている人びとも安心して暮らしたいとの思いは同じ。あと1週間。その願い、政治を変える希望へと結びつけたい。」(3日付けしんぶん赤旗「潮流」より) さて、今晩放送される「NHKスペシャル」(NHKテレビ=午後9時〜)介護を苦に家族を殺害する「介護殺人」の裏側に迫り、悲劇を防ぐ手がかりを探る。介護殺人を起こした受刑者は、意外にも多くが介護サービスを利用していた。介護を始めてから1年以内に犯行に至る場合が多いことも明らかになった。」私の家族も3年間、父親の介護生活がありましたが、まず驚くのは「お金がかかる」と言うことです。介護施設では月額18万円、病院でも月額8万円が必要です。父親の預貯金も400万円が、3年で綺麗?になくなりました。「お金のない者は、長生きしては行けないし、出来なくなっている」のです。ところで、昨日の安曇川は、エアコンでの表示が36℃になり(気象庁の発表では35℃)一気に暑くなりました。まだ、7月が始まったばかりなのに、この先が思いやられます。(写真は、 三和漁港で並んで休んでいるアオサギとトンビと、シンボルであるポプラの木と、近所の空き地に咲いたクチナシの花です)
裁判交流集会記念講演。B
2016/06/30
「裁判官の気概どこへいった ここ10数年ぐらいの裁判所の判決で、気になったことをいくつか指摘します。日本の裁判所では、名誉毀損事件の損害賠償は非常に低額で、いろいろな学者の方々から批判されていました。ところが1998年ぐらいだったと思うのですが、東京地裁の有力な裁判長クラスの方が、「名誉毀損の賠償金が低すぎる。もっと上げるべきだ」という論文を出したのです。すると全国の裁判所の判決の内容がガラッと変わり、いっぺんに高くなりました。それまで学者の方々から批判されても動かなかったのに、最高裁の意を汲んでいるような人たちが論文を出したら、裁判所全体がガラッと変わってしまうことのほうが問題だと思うのです。刑事事件では、被疑者の保釈が認められにくかったものが、最高裁の意を汲んでいると思われる大阪地裁の松本芳希裁判官が、裁判員裁判が始まる時期に『裁判員裁判と保釈の運用について』という論文で、広く保釈を認めるべきだという意見を出したことで、若い裁判官がそれに従う風潮が目につくようになったんです。医療過誤訴訟やサラ金の過払い金訴訟においても、平成10年代に、最高裁が連続して下級審判決をひっくり返したということもありました。もっと実態に即した思い切った判断がなされるべき事例だったのですが、下級審でそれをしないから、仕方なく最高裁が先頭を切った形でした。下級審が動いて最高裁がそれにブレーキをかけるというのが本来的な構造なのですけれども、下級審が動かないから最高裁のほうが先に動いてしまうという非常に情けない話です。」(2016年6月15日付け「救援新聞」より) これでの部は終わりですが、の部は、2016年6月25日付けで続きます。要約すると、「裁判所こそが誤判の検証を」、「人権裁判官が残れない司法」、「人事の影響力行使には限界」、「市民の運動で裁判所変える」となっています。なお、「国民救援会」の会費は月額600円(家族会員は月額300円)で月に2回「救援新聞」(無償)が届きます。興味のある方は、お近くの日本共産党の事務所(または民主商工会)で尋ねてみてください。さて、関西では梅雨入りしてから大雨が降りませんが、九州各地では甚大な被害が起きています。特に熊本県では震災の後だけに、心配な日々が続いているでしょう。(写真は、久しぶりに立ち寄った旧高島町「萩の浜」ですが、湖岸が浸食されて木が波に洗われています)
裁判交流集会記念講演。A
2016/06/27
「差別的人事で交流途絶える 私は司法研修所の第31期ですけれども、非常に雰囲気のいい時期でした。69人の裁判官希望者のうち5人が任官拒否されました。すべて青法協会員です。この5人が裁判を起こす準備をしておりましたので、任官した64人が裁判を支援する組織を作りました。結果的には裁判は起こらなかったので機能はしなかったのですが、非常に仲が良かったのです。裁判官懇話会にもたくさん出席し、同期会の雑誌を出したりもしました。配偶者同士が仲良くなり、「奥様同期会」を作って交流誌を出したりもしていました。ただ、そういう雰囲気は、私が任官してからどんどんなくなってきたというのがその後の裁判所です。青法協裁判官、懇話会裁判官に対しては、一時期かなり顕著な差別人事があり活動家裁判官は地方の裁判所の支部から支部へ移されました。そういう裁判所には若い裁判官もいないし、司法修習生もいないので、活動家の裁判官が若い人に影響力を行使する機会がなくなってしまうのです。それから裁判所内部では、最高裁判決の拘束力の異様な強調がなされました。若い裁判官には「最高裁だったらどう判断するかを考えて判決しろ」という指導がされました。本来、裁判官は、その良心に従って独立して職務を行い、拘束されるのは憲法及び法律のみだと憲法に書いてあるので、憲法、法律に従って何が正しいかを自分で考えて判断しなければいけないのに、こういう指導がなされていたのです。こうして裁判官の運動が潰されていきましたので、その後ハードな統制はなくなりました。けれども、ときどき鎧が見えます。1998年には寺西和史裁判官の戒告処分問題がありました。これは当時仙台地裁にいた寺西裁判官が、盗聴法の反対集会に行って発言しようと思ったけれども、「自分は裁判官だから発言できない」と言ったことが政治活動にあたるということで、戒告処分を受けたのです。それから藤山雅行裁判官に対する処遇です。藤山裁判官は1991年から1997年まで、最高裁行政局の参事官、二課長、一課長を歴任し、全国の行政訴訟をリードする立場にある東京地裁の行政部の部総括裁判官になりましたが、国側を敗訴させる判決をたくさん出しました。日本の行政訴訟を変えなければいけないという非常に強い問題意識を持って裁判をされたんだと思います。行政事件のエリートだった藤山裁判官ですが、5年たって専門外の医事部に異動させられ、その後2015年に名古屋高裁に来るまでの11年間、行政事件には一切関与していません。出世街道からも大きく外れました。こういう処分をすることによって、他の裁判官は「やりすぎるとこういう処遇を受けてしまうのか」と最高裁のメッセージを受け取ります。実はこういうことが響くのです。」(続く)(2016年6月15日付け「救援新聞」より) 国に不利な判決を出せば、冷遇されてしまうと言う噂は嘘ではなかったのですね。さて、気がつけば6月も後4日となりました。もう今年も半分が終わってしまうので、「本当に早いなあ!」と思ってしまいます。私ごとですが、自宅が「シロアリ」にやられて床板が全滅しました。異変には気がついていたのですが、ここまで被害が大きくなっていたとは知りませんでした。出費が100万円になると聞いて、目の前が真っ白になりました。みなさまも異変に気付いたら、早めの対策をして下さいね。(写真は、旧志賀町に出来た道の駅「妹子の郷」の案内板と、旧びわ町・南浜の花壇の花と、この日久しぶりの訪れた「北近江の湯」の玄関です)
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